今や携帯電話やスマートフォンをキャリアショップ以外で買う事は一般的になりつつあります。
そこでよく耳にする「白ロム、赤ロム」などの〇〇ロムという言葉。
ざっくりは分かるけど、どういう意味なのか、どう違うのかと言われると「うーん。」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は〇〇ロムを解説していきたいと思います。
〇〇ロムとは
そもそも〇〇ロムとはいつ頃できた言葉なのかご存じですか?
これは昔、ガラケー(フィーチャーフォン)が普及した頃にできた言葉です。
外見からは判断のつかない、端末の契約状況や通信状況を分かりやすくするために使われた、いわゆる業界用語です。
そして時が経ち、キャリアショップ以外でも携帯電話端末を買う事ができるようになりました。
例えば、リサイクルショップやオークションサイトによる個人売買などですね。
その流れの中で自然と世間一般でも使われる言葉として浸透したというわけです。
しかしこの言葉、実は昔と今では少々勝手が違います。
というのも、昔のガラケーはSIMカードという物は使っておらず、端末に直接電話番号や契約情報を書き込んでいたのです。
そのため、SIMカードを用いた通信が大前提になっている現在の端末には厳密には当てはまらないのですが、昔の名残で今でも広く使われる言葉となっているんですね。
このページでは本来の意味と現在使われている意味と分けて解説をしていきます。
白ロム
昔のガラケー
電話番号や契約情報が書き込まれていない端末を「白ロム」と呼びます。
当然の事ながら、そのままでは使用できません。
キャリアショップなどで契約をし、情報を書き込む事で初めて利用が可能となります。
現在のガラケーやスマホ
SIMカードが入っておらず、パスコードなどのロックも全て未入力の初期状態の端末が「白ロム」と呼ばれているようです。
基本的には、そのままで使用はできませんが、Wi-Fiによるデータ通信は可能な場合が多いです。
こちらは端末に対応している通信可能なSIMカードを入れれば、キャリアショップへ行かずとも使用可能となります。
また、ネットワーク利用制限(〇)と(△)と少し特殊ですが(-)が白ロムに該当します。
※ネットワーク利用制限については、別記事にて解説しております。
またまた、よく誤解されがちですが、白ロム=SIMフリーではありません。
※SIMロックとSIMフリーに違いについては、別記事で解説しております。
赤ロム
昔のガラケー
携帯電話の割賦金や支払いの未納・滞納が発覚した際、キャリアにより携帯電話自体にロックがかけられたものを「赤ロム」と呼びます。
モバイル通信ができない状態となり、基本的には二度と解除はされません。
現在のガラケーやスマホ
現在でも、携帯電話の割賦金や支払いの未納・滞納が発覚した際、キャリアにより携帯電話自体にロックがかけられたものを「赤ロム」と呼びます。
こちらもモバイル通信ができない状態となり、基本的には二度と解除はされません。
WiFiによるデータ通信は可能ですが、端末自体にロックがかかっているため、SIMカードを入れ替えてもモバイル通信はできません。
また、ネットワーク利用制限(×)が赤ロムに該当します。
黒ロム
昔のガラケー
電話番号や契約情報が書き込まれていて、モバイル通信可能な状態の端末を「黒ロム」と呼びます。
つまり、利用者のいる携帯電話の事ですね。
現在のガラケーやスマホ
モバイル通信可能なSIMカードが挿入されていて、利用可能な状態の端末を「黒ロム」と呼ばれているようです。
といっても、こちらの言葉は最近ではあまり使われていません。
半黒ロム
昔のガラケー
電話番号のみ書き込まれているが、契約情報なし(契約者のいない)端末を「半黒ロム」と呼びます。
家電量販店など、携帯電話に情報を書き込む設備のない店舗では電話番号のみ書き込まれた状態で納入されるため、この言葉ができたようです。
しかし、この状態の端末は一般に普及する事がないため、当時でもあまり使われていなかったようです。
現在のガラケーやスマホ
現在はSIMカードに電話番号や契約情報が記録され、それを携帯電話が読み取るという仕組みが一般的なため、基本的に「半黒ロム」は存在しません。
灰ロム
昔のガラケー
電話番号や契約情報が残ったまま解約された端末を「灰ロム」と呼びます。
通常であれば解約や機種変更の際に、端末に記録された情報は移動、消去されます。
しかし携帯電話の紛失や盗難の被害にあった際など、手元に携帯電話がない状態で解約のみを行うとこの状態となります。
もちろん、解約されているため情報が残っていてもモバイル通信は行えません。
現在のガラケーやスマホ
現在は端末自体に電話番号や契約情報は記録されていないため、SIMカードを抜けばそれらの情報は端末には残りません。
そのため、厳密に言えば「灰ロム」は存在しませんが、強いて例を上げるとすれば、解約済みのSIMカードが挿入されたままの端末が灰ロムに当たるかと思います。
また、SIMカードが入ったままの状態で紛失や盗難の被害にあった際は、契約しているキャリアに届け出をすれば、悪用防止のため、解約せずとも端末とSIMカード両方にロックをかけてくれます。
つまり赤ロムと同じ状態にしてくれるわけですね。
なお、一度この処理をすると基本的にはロック解除は不可能ですので「なくした携帯が出てきた」「盗難されたスマホが返却された」等の場合でももう一度同じ端末を使う事はできません。
知っておくに越した事はない
いかがでしたでしょうか。
ただの専門用語の解説のように思えても、知っていると知らないとでは大違いなんです。
昨今、オークションサイト等の市場規模が拡大したことも手伝って、個人間で携帯電話を売買する事が非常に多くなりました。
しかしそれに伴い、誤った表記で出品をしてしまっていたり、中には知識のない人を騙そうとする出品も多数見受けられます。
・白ロムと書いてあるのにネットワーク利用制限(×)になっている。
・分かりづらいところに赤ロムと記載されている。
・そもそも〇〇ロムもネットワーク利用制限も何も記載がない。
などですね。
これらは通常よりも安い金額で出品されている事がほとんどなため、飛びついてしまう気持ちは分からないではありません。
ですが、その気持ちをぐっと抑えて、本記事の内容で注意深く商品説明をご覧になって下さい。
きっと、その一手間で騙されるトラブルや損をするリスクを大幅に減らす事ができるはずです。
ちなみに一番確実かつ安全に購入ができるのは、やはりリサイクルショップやオークションのストアアカウントから買う事です。
法人であれば立場上、悪質な事はできず、商品の検品もプロが行っているため無用なトラブルは限りなく少なくなります。
分からない事を質問しても真摯に答えてくれたり、アフターフォローも整っている事がほとんどです。
よほど珍しい商品でもない限りは、まずリサイクルショップやオークションのストアアカウントから探してみる事をお勧め致します。